星ゆけば   宇宙戦艦ヤマトよ伴に

過去・現在・未来…不滅の宇宙伝説“ヤマト”よ永遠なれ!

2016-02-23 [ Tue ]
「あった、これだわ…」
ハッカーのようにデータベースを探していたカヨは、ついに補給艦1247号の消息に関する記載を見つけた。
そこには木星宙域で味方巡洋艦に最後の補給をしたのち、火星基地へ帰還の途についたまではわかったが、
艦首識別信号がその日途絶えたことを伝えていた。
「まだ、わからん、あきらめちゃいかんぞ」
カンジイは慰めるようにカヨに言ったが、彼女は黙って虚空をみつめていた。

そのフネの名はヤマトという。たった一隻で宇宙の彼方を目指して飛び立った。
そのヤマトがこの宇宙空港近くから爆炎もろとも発進してもう十か月になろうとしていた。

「ねえミキバア、カヨねえちゃん、今日くるかな」
タクオは最近このキタセンリガオカにあまり来なくなったカヨのことを心配していた。
「うん、いろいろと忙しいんかな、また来るようになるじゃろ」ミキバアは望遠鏡をのぞきながら
「うーん、今日はまだこんか、、、こんな、、、」独り言のように呟く。
カヨが来ないと言っているのか、まだヤマトが還ってこないと言っているのか、
その言葉はどちらにも取れる曖昧なものだった。

数日が過ぎ、もう十二月になった朝は少し寒くなった。
「やっと来たね」ミキバアの視線の先には久しぶりにこのオカに姿を現したカヨが居た。
「決心がついたのかい」優しく聞くミキバアにカヨは泣き出しそうになる。
「ええ、今日はもうここに来るのも最後、みんなにはメッセージ、あと一緒に写真を」
「じゃあ、ボクからーっ」元気よくタクオが一番乗りを果たす。
カンジイ、ミキバア、その他大勢の仲間達がカヨの門出を祝う。

そう、彼女はかねてからの夢、カフェの開店を目指す決心を固めたのだ。
愛する弟のことはもうほとんど絶望的なことがわかった。
が、いつまでもクヨクヨしているわけにはいかない。

この先、地球が滅びるかもしれない時代に、
何もしないで一生を終るなどという諦めを受け入れるわけにはいかなかったのだ。

「じゃあ、撮るよー」タクオがセルフタイマーをセットする際、
フレームの彼方にキラリと光点が見えたかと思うとそれはみるみる大きくなって近づいてきた。
「ねえ、あれ何!?」タクオの声に皆が一斉に蒼空を見上げた。

その蒼空には、最新の宇宙船にしては妙に古めかしい洋上艦のシルエットをした
ツートンカラーの巨大戦艦がゆっくりと降下してきていた。

「あれは、、、ヤマトよ!!」
カヨは大きな声で叫んだ。

(完)
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コメント

こんばんは。三部作の最終話!拝読させて頂きました (^^)。
>「あれは、、、ヤマトよ!!」・・・
「ヤマトですっ!」、というあのセリフを重ねて思い出します。
カヨさんの決意と、そして帰って来たヤマトを叫ぶその叫び声の先に、希望の光が見えた。みんな、生きることを諦めなかった。だから、生きる希望を乗せてヤマトは帰って来たんですね。ああ、上手く言えてません。カヨさんのような一人ひとりが頑張っていたから、ヤマトが必死に帰って来たんだって、思いました!!

Re: タイトルなし

ありがとうございます!明日への希望っていう言葉がヤマトにはありますよね。最初の音楽集の最後の一曲がそれで2199はそれが第七章のラストシーンでも流れました、、、方舟でも桐生の最後の台詞で明日への希望という言葉が語られます。それを諦めなかった人が待っていた、、、それがヤマトを引き寄せたのかもしれません、、、ゆきんこさんのように感想をいただくと改めて執筆した真意に気づかされることがあります、、、不思議です。。。

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ようこそ!過去・現在・未来が繋がる永遠の宇宙伝説…


…愛と浪漫・知恵と勇気・夢と希望の物語「宇宙戦艦ヤマト」との日々を綴ります。(時々、勝手気ままに寄り道)

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